『近代とはいかなる時代か―モダニティの帰結―』6章

・近代は西洋的企てか?(P.215-218)

・モダニティーはどの程度まで西欧に特有なものであろうか?

制度郡の面からみれば《国民国家》と《体系的な資本主義生産》という二つの個別の複合組織体が、モダニティの発達にとってとりわけ重要であった。

モダニティのもたらした重要な帰結=グローバル化
グローバル化=一体化していくと共にバラバラに分裂させていく
つまり、グローバル化によって私たちは世界規模の相互依存関係になっていった。

・この観点から見た場合(グローバル化)モダニティは西欧に特有なものであるのか?

モダニティは西欧に特有のものではなく、非西欧的環境に由来する概念や戦略を必要としている。何故なら、モダニティの徹底化もグローバル化も完結したような状態ではなく、世界の多様性を考えれば、たとえば第3世界のような不平等の影響をうけざるおえない。すなわちモダニティを「超克しようとする」運動である。

モダニティの特性=ダイナミックな特性に不可欠な知識の再帰性によって普遍化していく。

・この観点から見た場合(知識の再帰性による普遍化)モダニティは西洋に特有なものであるのか?

条件付でそうであるといえる。モダニティの示す再帰性に本来内在している、伝統からの徹底的な転換は、たんに先行する時代との断絶だけでなく他文化との断絶をももたらしている。

結論的所見

われわれは、とりわけ先進工業社会においてそうであるが、ある程度まで世界全体においてハイ・モダニティの時代に突入している。

モダニティは本質的にグローバル化していくものである。
グローバル化は、ローカルな極とグローバルの極の両端で人びとを変動の複雑な弁証法の構成要素として、規模の大きなシステムに結び付けていく。

モダニティは本来的に未来を志向しているため、「未来像」は、反事実的モデルとして位置づけられている。