2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『近代とはいかなる時代か―モダニティの帰結―』4章

・抽象的システムと親密な関係性の変容(P.140〜P.142)『抽象化システムは、前近代的秩序が欠いていた多くの安心感を日々の生活にもたらしてきた。(p.140)』 ex. ロンドンで飛行機にのって、10時間もすればロサンゼルスに到着するが、乗客は場合によれば…

前近代的なことがらと近代的なことがら

信頼をめぐる四つのローカル化した関係 親族システム 地域共同体 宗教的世界観 自然的世界、個人生活、社会生活に関して安心のおける環境となる道徳的、実践的解釈をもたらしていく 伝統 過去、現在、未来という時間の連続性のなかで信頼感を維持する 前近代…

信頼と存在論的安心(心理学が関係する諸問題)

存在論的安心は、感情的現象であり、無意識に根ざしている 「可能性(核戦争がいつ起きるか)」は理論的には排除できない この存在論的不安は信頼という「投薬」を基本的に受けているからである エリクソンの理論 信頼(の機能)には二つある 幼児が客体の供養者…

専門家知識と信頼

専門技術的知識にたいする信頼にとって社会化が重要である 科学は「信頼に足る知識」というイメージを損なわずに保っていたが、その一方で、相反する感情が存在している。それは、あらゆる信頼関係の奥底にある両面的感情である。 信頼は「無知」を前提とす…

アクセス・ポイントの重要性(p.112-116)

一般の行為者を信頼関係に組み入れる顔の見えるコミットメントは、抽象システムの中で形成されている(「通常どおり営業中」)。ただし、アクセス・ポイントは抽象的システムを運用する人が生身の人間であることを忘れさせない。 つまり、ここでは「貴方を不安…

主張(p.102-112)

再埋め込みされた行為状況は脱埋め込みシステムを支えるか歪める 《顔の見えないコミットメント》は顔の表情が必要なコミットメントと多義的に結びついている 《顔の見えるコミットメント》 そこに居合せている状況の元で確立する社会的結びつき 《顔の見え…

『近代とはいかなる時代か―モダニティの帰結―』2章

Ⅱ ・モダニティの制度特性(P.75〜)A 資本主義 B 工業主義 C 監視装置 D 軍事力(暴力手段の管理)・ A−《資本主義》とは、資本を占有する人々と資産をもたない賃金労働者との関係を中心に展開する商品生産システムであり、資本家と賃金労働者が階…